「なんでこの幕収録されてるねん」ランキング第1位※要出典の[普通|須磨]。
なぜ収録されているのか、そして使用実績はあるのかについてこの記事で考察していこうと思います。
なぜ収録されているのか。これは正直なところ分かりません。決定的な根拠がどこにも見当たらないんです。
まず定説(?)とされているのが「須磨行き特急が山陽車による運用だった際、新開地(高速神戸?)で側面幕を[特急]から[普通|須磨]に変更していたから」ですが、山陽車は2009年or2012年に幕を交換した際に[特急|須磨]の幕が追加され、交換以降はその幕を表示して運用していたそうなので、山陽車の幕が交換されてから少なくとも4年ほど経った2016年にわざわざ[普通|須磨]を収録する理由とするには違和感があります。
僕が考えた説としては「代走や突発的なダイヤ乱れに対応するため」というものがですが、これは実績はあります(後述)が決定的な理由がないので正しいとは言い切れません。というかこの幕考察に正しいとかないやろ。
他にもいくつか説は考えられますが、どれも決定的な根拠がなかったり、矛盾が生じたりして腑に落ちないものばかりなので、「これ有力ちゃう?」という説を思いついた方がいらっしゃいましたらコメントなどで教えていただけると嬉しいです。この幕についてアツく語り合おうじゃあないですか。
なお、山陽車による運用についてはこちらの記事を参考に書かせていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。
そして使用実績についてですが、しっかりあります。
使用されたのは2018年の7月6日〜8日の3日間で、西日本豪雨により須磨浦公園付近の斜面が崩落して霞ヶ丘〜須磨間が不通になった際に使用されたそうです。
生憎当時の僕は「雨こわ〜」と家に引きこもっていて写真を撮っていないので、沿線で写真を撮っていた方などの記事やツイート(X's?ポスト?)を参考にして、僕なりに当時の運用を考察してみました。
ameri-sanshinji.hatenablog.com
ameri-sanshinji.hatenablog.com
ameri-sanshinji.hatenablog.com
ameri-sanshinji.hatenablog.com
7/6
— ふるぅと (@Fl_hanshin) 2018年7月8日
阪神9505F須磨行き普通車
うーん違和感の塊 pic.twitter.com/LgSHBGX7lH
阪神車の普通須磨行き pic.twitter.com/2Yl6UrfdEp
— 長天 (@ng_tn_) 2018年7月6日
7/8
— ふるぅと (@Fl_hanshin) 2018年7月8日
阪神8241F須磨行き普通車 pic.twitter.com/eeXO1ujx9r
こちらの御三方の記事とツイートを参考にして考察をしていきます。御三方にはこの場を借りて感謝申し上げます。
それでは、いつ使用されたかは先ほど書いた通りですので、どの列車が[普通|須磨]を表示したのかについて考察していきましょう。
まず、須磨以西に入線する阪神6R車の種別は、直A・直B・特急・普通の4つが存在します。
このうち直A・直Bは須磨行きの幕がなく、直Bは種別単幕すらない(ちなみに山陽車には直Bの単幕もあります)ので、側面は直A単幕とし、停車駅は元のものに準拠して運用されていたと推測されます。
特急は須磨行きの幕が収録されているので、所定の行き先を変更し、須磨行き特急として運用されたと推測されます。
そして件の普通。これは特急と同じく須磨行きの幕が収録されているので所定の行き先を変更し、須磨行き普通として運用されたと推測されます。しかし!これで終わるほどこの沼は浅くないらしく、様々な謎がこの沼をもっと深めていきます。
まず、3つある参考ツイートのうち一番上、6日の写真ですが、これは先ほどの推測で合点がいきます。
そして真ん中のツイート、7日の写真なのですが、これは少し特殊で、この運用は恐らく所定東須磨止まりなのに、須磨行きとして運用されています。
この運用は僕の推測が正しければ三宮を7時34分に出発し、東須磨に到着後8時11分発の特急として梅田に向かうものとなっています。
所定のダイヤなら、ここで東須磨始発の山陽普通が待機していて、それに乗り換えることが可能です。しかし、斜面が崩落して路線が分断されてしまった今、須磨以東に残る車両で運用をやりくりする必要があり、止むを得ず東須磨止まりの阪神6Rを山陽普通として代走させて対応したのではないでしょうか。(若しくは延長運転扱い…?)
山陽車のところ阪神8000きた
— だいてつ(株) (@da_cyan22) 2018年7月7日
こちらの方のツイートは8日のものですが、投稿時間などから考えると翌日の同運用と推測することが出来、この運用が阪神6R車によって代走されていた可能性が高まります。(ツイ主様にはこの場を借りて感謝申し上げます。)
「須磨まで代走してダイヤが乱れたりはしないのか?」と思う方もいらっしゃると思いますが、所定のダイヤでも東須磨到着から入換をする時間がとられているため、その時間で東須磨と須磨を往復したと考えれば納得がいきます。
そして一番下、8日の写真ですが、これが一番謎に満ちています。この写真、普通運用なのに虎副標掲出&急行灯点灯をしているのです。
まずは阪神・山電における虎副標と急行灯について軽く説明をします。虎副標は甲子園でタイガースの試合が行われる日に特急・直特・臨特・臨急に掲げられる副標織で、急行灯は普通以外の全種別で点灯するものです。(阪神内では地下区間・夜間などで点灯率高め、山電内では日中でも点灯率高め)
この説明から分かるように、基本的に普通運用では虎副標は掲げませんし急行灯も点きません。じゃあなぜこのようなことになっているのか?
この運用は先述の「山陽普通の代走をした所定東須磨止まりの普通」の特急版で、東須磨から先は所定山陽普通の代走という形で運用されたのではないでしょうか。
そう仮定すると、東須磨で種別と行き先を変更した際に、イレギュラーなことだったのでうっかり虎副標や急行灯をそのままにしてしまった、という説明が出来ます。(ちょっと強引ですが…)
そして、前述の内容をまとめると、[普通|須磨]を表示して運用されたのは、「所定で須磨以西(須磨浦公園)に向かう普通」と、「所定東須磨行きとして運用された普通・特急をそのまま山陽普通の代走に回した列車」の二つとなります。
このように、参考ツイートの3つの運用がどのようなものだったかをまとめましたが、その運用をこの目で見た訳ではなく、あくまでツイートやブログなどからの推測なので、間違えている可能性も少なからずあります。もし何か有力な情報がありましたら教えていただけると幸いです。
収録された理由から使用された際の詳細まで何もかもが謎な[普通|須磨]。
現在の阪神の方向幕ではトップクラスに難しい幕なのは間違いないでしょう。
しかし、難しさと同じくらいロマンがあるというのも事実です。
もし新たな情報が得られた場合、その都度情報を更新していくので暇なときにまた覗きに来て下さい。もしかしたら研究が進んでいるかも…知らんけど。
最後になりますが、誤った情報などがあればコメントで教えて頂けると幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
最終更新2023/09/10