はんしんけんきゅう

オタクが好きなことだけ突き詰めるブログ

急行用車両の方向幕

数年に一回内容が変更される方向幕ですが、2016年のダイヤ改正に合わせて変更された現行仕様の方向幕がキーホルダーとして商品になりました。

方向幕のキーホルダーといえばオーソドックスな幕しか製品化されないことが多いですが、今回のキーホルダーはなんと全ての幕が製品化。(流石に白幕は製品化されませんでした。まぁ妥当ですね。)

www.tetsudokoshien-shop.com

 

一応実車も確認してみましたが、商品ページに書いてある幕の並び方と実車の幕順は同じと思われ、実質的に公式が幕の収録内容を並び方含め全て公開してくれたということになります。(鉄道ピクトリアルの記事では以前に紹介されていましたが…)

公式から公開があれば考察してしまうのが我々オタクの性ですが、その中で色々と興味深い点があったのでそれについてここに記していこうと思います。

 

まずは収録内容の確認をします。幕の内容は並び方含めて下の図の通りです。

42と43の幕は実際は他の幕と同じく白地ですが、識別のためにここでは灰地としています。

 

この一覧表を見てまず疑問に思うのは「なぜ直Bが板宿〜神戸三宮間と須磨〜神戸三宮間の2パターン収録されているか」だと思います。

2016年改正以降は板宿〜神戸三宮間なので須磨〜神戸三宮間は要らないのでは?と思う方もいらっしゃると思います。しかし、両方を収録しないといけない理由があるのです。

この謎を解き明かすカギとなるのは「交換時期」です。

ダイヤ改正に合わせて幕を交換する場合、改正当日までに当該編成の幕を交換する必要が生じますが、改正前夜に全ての幕を交換するとなると手間も時間もかかりますし、深夜帯の作業なので夜勤手当を出さなければならず、人件費も嵩みます。

なので、ダイヤ改正の数日前から数編成ずつ幕を交換していくことにしたのでしょう。しかし、いくらダイヤ改正で消滅するとはいえ、現時点ではまだ直通B特急は須磨と神戸三宮の間は各駅停車です。そこで「板宿〜神戸三宮間各駅停車」という幕を表示するにはいかないため、「須磨〜神戸三宮間各駅停車」の幕が収録されたのではないでしょうか。

それならダイヤ改正後は表示することがないですし、幕回しに時間がかかる最後の2コマに収録されているのも合点がいきます。

余談ですが、交換前の幕は「須磨〜『三宮』間各駅停車」という表示でした。しかし、2014年に「三宮」は「神戸三宮」に改称されたため、この幕は「須磨〜『神戸三宮』間各駅停車」となっていて、使用されていた期間の短さも相まってかなり貴重な表示となっています。知らんけど。

 

さぁ、直Bの幕の謎が解けたところで、阪神の運用を研究されている方なら「なんやこの幕」となる幕があると思います。そうだね。プロテイン[普通|須磨]だね。

この幕についてここで書きたいところなんですが、この話は長くなりそうなので別の記事として投稿しました。よければこの記事と併せてご覧ください。

ltdexp.hatenablog.jp

 

また、前述の直B・[普通|須磨]以外にも、改正後に一度も定期列車として設定されなかった幕があります。[直A|御影]・[特急|御影]・[急行|御影]の3つです。何気に全部御影行きです。

まず、[直A|御影]は改正前まで設定があったので、件の直B幕と同様収録されているのでしょう。また、2022年の改正でちゃっかり山陽車による設定で復活したので、その代走にも役立つと思われます。また、ダイヤが乱れた際に突発で設定された事例があります。

次に、[特急|御影]。こちらも改正前まで設定があり、件の直B幕や[直A|御影]と同じく収録されていると思われます。ちなみに改正以降も2018年の改正まで山陽車での運用は残っていたようなので、その代走に役立ったと思われます。実績があるかは知りません。

そして、[急行|御影]。これは前述の[特急|御影]と関係しており、2018年の改正で阪神6R運用の御影行き特急がなくなった代わりに、近鉄直通対応6Rによる御影行き急行が設定されており、その代走のために収録されていると思われます。ちなみに御影行き急行は2022年の改正で設定がなくなりました。

 

また、幕の「内容」は同じなのですが、「フォント」が異なるものが存在します。知った時には悶絶しました。こちらの方が詳しく解説されているので、そちらの記事を参考にすることを推奨します。

st02.hatenablog.com

st02.hatenablog.com

 

このように、このブログでは重箱の隅を突くような阪神ネタを投稿していきますので、暇なときにふら〜っと覗きに来て下さい。

また、僕はまだまだビギナーですが、もっと役に立つ情報を発信している方々もいらっしゃるので、ぜひそちらもご覧になって、もっと阪神電車を好きになって下さい!

最後になりますが、誤った情報などがあればコメントで教えて頂けると幸いです。

 

ご覧いただきありがとうございました。

 

最終更新2023/12/15